梅雨が終わるといよいよ夏本番ですが、
この時期によく目にする昆虫が
カナブンとコガネムシです。
みなさんはカナブンとコガネムシの
見分け方をご存知でしょうか?
実は似ているようで、その生態には大きな
違いがあることがわかりました。
今回はカナブンとコガネムシの違いを解説
し、幼虫と成虫それぞれの見分け方や
ハナムグリについてまで幅広く紹介していきます。
目次
カナブンとコガネムシの違いはどこ?
似た者同士のカナブンとコガネムシですが
その生態の違いを探ってみると、
大きな違いは「食べ物」であることが
わかります。
それではカナブンとコガネムシを詳しく
見て行きましょう。
カナブンの特徴

カナブンを昆虫の種類で分けると
コガネムシ科>ハナムグリ亜科>カナブン属
ということになります。
カナブンはコガネムシ科のカナブン属に
属します。
北海道以外では比較的どこにでも
生息しています。
幼虫として土の中で暮らす期間は
およそ8ヶ月~9ヶ月、
その後5月~6月に成虫となり、
夏の終わりにはその生涯を閉じます。
カブトムシに似たサイクルです。
カナブンのエサは熟した果実やクヌギ、
コナラ、広葉樹の樹液です。
飛ぶことが非常に上手で、足場がなくても
飛ぶことができ、前脚の先端についている
爪で樹木にしがみつき、
樹液を吸って生活をしています。
コガネムシの特徴

コガネムシを昆虫の種類で分けると
コガネムシ科>スジコガネ亜科>コガネムシ属
ということになります。
ほぼ全国に生息しているコガネムシの
人生は、
土の中で幼虫として8ヶ月~9ヶ月暮らし
その後7月~8月にかけて成虫となり、
夏の終わりにはその生涯を閉じます。
セミに似たサイクルです。
コガネムシのエサはサクラやクヌギなどの
広葉樹の葉です。
カナブンは樹液をエサにし、
コガネムシは葉物をエサにします。
このように似た者同士のカナブンと
コガネムシの大きな違いは、
エサにあることがわかります。
カナブンとコガネムシを一瞬で見分ける方法!

それでは実際に目の前にしてどこが
どのように違うのか、
一瞬で見分ける方法を紹介します。
キーワードは顔と背中です。
カナブンの顔は四角い形をしており、
コガネムシの顔は丸い形をしています。
そしてカナブンの背中の中央にある
翅の付け根付近には
逆三角形のマークがあり、
コガネムシの背中の中央にある
翅の付け根付近には
半円のマークがあります。
カナブンとコガネムシを一瞬で見分ける
方法は、顔と背中を見れば一目瞭然です。
そして見た目の大きさも実は少し違います
カナブンのほうがコガネムシよりも若干大きいのが特徴です。
しかしカナブンとコガネムシを比べて
みなければわかり難いので、
顔と背中で判断するほうが正確です。
カナブンとコガネムシは幼虫もそっくり?

似た者同士のカナブンとコガネムシですが
その幼虫もそっくりなのでしょうか?
まずカナブンとコガネムシの幼虫は外見で
判断できないほどそっくりです。
しかし住む場所に違いがあります。
カナブンの幼虫は腐葉土をベッドと食料に
するのに対して、
コガネムシの幼虫は固い土でなければ
比較的どのような土の中でも生息します。
見つける場所によって違いがわかるわけです。
そして、どうしてもわからない場合は、
歩かせてみます。
カナブンの幼虫は土からだして
置いてみると、
カメのようにひっくりかえり、自分で
起きあがって歩くことができません。
カナブンに対してコガネムシは土から
出して置いてみても、
しっかり自分で起き上がって歩くことができます。
カナブンとコガネムシにそっくり!?ハナムグリとは?

カナブン、コガネムシによく似た虫で、
ハナムグリという虫がいます。
ハナムグリを虫の種類で分けると
コガネムシ科>ハナムグリ亜科>ハナムグリ属
ということになり、コガネムシの一種
ということがわかります。
そしてハナムグリ亜科のカナブンは
ハナムグリの仲間ということになります。
ハナムグリの寿命はその多くは
4ヶ月~6ヶ月とされており、
中には2年も生きるハナムグリも存在する
とされています。
カナブンやコガネムシに比べると
長生きですよね。
ハナムグリのエサは、植物の花に飛来した
花粉や蜜を食べて生活しています。
カナブンやコガネムシ、ハナムグリに害はある?

それでは同じコガネムシの仲間である
カナブンやコガネムシ、ハナムグリに害は
あるのでしょうか?
カナブンとハナムグリは特に害を与える
ことはありませんが、逆にハナムグリは
花粉や蜜をエサにしていることと、
行動範囲が広いことから、ミツバチ同様、
受粉のきっかけになるための自然界に
とっては無くてはならない存在とされています。
そして庭で育てている植物などに
害を及ぼしかねないのが葉物をエサにする
コガネムシです。
葉を食いつくすのみならず、植木鉢に
植えた植物の土に卵を産みつけられた場合は、
幼虫が根っこから栄養補給するので
枯れてしまうこともあります。
カナブンやコガネムシ、ハナムグリを
ひとくくりにしてしまうことが多いかと
思いますが、実はカナブン・コガネムシ・
ハナムグリの区別が必要な理由は、
こうした植物に害を与えるか否か
という観点から非常に重要なことがわかるはずです。
もし庭で植物を育てていて、コガネムシを
発見した場合は、すぐに駆除することを
おすすめします。
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これから夏に向けて土の中で成虫への準備
を整えていると思われる幼虫たち。
カナブンとコガネムシの見分け方は
顔の形と背中のマークを確認することです。
そして幼虫を発見した場合は土から出して
歩かせてみればわかります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
以上、「カナブンとコガネムシの違いを解説!幼虫や成虫の見分け方は見た目や食べ物?」でした。