家の庭や公園など、日常で当たり前のように見かける蟻(アリ)ですが、
その蟻の日常の集団生活実態が注目を集め、今では蟻の飼育セットが多数展開するほどの注目を集めています。
毎日のように見かけますが以外と蟻のことって知らないですよね?
例えば蟻の寿命ってわかります?
今回はそんな蟻の寿命について、女王アリや働きアリそして話題になったヒアリ、家を食べるというシロアリなど種類ごとの違いについて解説していきます。
目次
蟻(アリ)の寿命は種類やオス、メスによって全然違う?

ではまずそんな蟻の生態について少し説明していきましょう。
蟻はコロニーという集団で生活する社会生活集団です。
そこには一般的に女王アリ、働きアリ、オスアリとに分かれています。
女王アリは何となくわかるという方も多いと思いますが、
コロニーの一番奥に住んでいて主に産卵を仕事としています。
次に働きアリですが、働きアリは実は全てメスアリで構成されていることを知っていますか?
イメージでは「オス=働きアリ」といった感じですが違うのですね!
役割としては、女王アリの世話や、卵と幼虫の世話、
みんなのエサを探して回る仕事を担当しています。
ではオスのアリはというと、女王アリと交尾そして子孫を残すことに努めます。
そんな各役割によって寿命が全然違ってきます。
繁殖の目的で生存するオスアリの寿命は一番短く、
女王アリとの交尾が終わるとそのまま死んでいきます。
その寿命はおよそ1年足らず、
短い例では1か月足らずのオスアリもいます。
働きアリのメスアリの寿命はおよそ1年から2年程度とされています。
そして一番寿命が長いとされる女王アリの寿命は何と10年以上とされています。
では、種類によってはどのぐらい寿命が違うのでしょうか?
日本で多く見かけるアリは、アシナガアリ・クロヤマアリ・クロオオアリの3種類です。
続いてはそんなアシナガアリ・クロヤマアリ・クロオオアリについて紹介していきます。
よく見かける蟻は「最普通種」のビッグ3!?
日本にはなんと273種類の蟻が生息しているとされていますが、そんな中でも日本でよく見かけられるアリ界のビッグ3は、
「アシナガアリ」「クロヤマアリ」「クロオオアリ」です。
最もよく見かけることができるものを「最普通種」と呼びますが、
「アシナガアリ」「クロヤマアリ」「クロオオアリ」は最普通種のビッグ3といえます。
アシナガアリ

体色は暗褐色で、東日本では平地で、西日本では平地から山地まで幅広く生息し、林内の土中や石の下など湿っぽい場所を好みます。
アシナガアリの寿命はオスが1年足らず、
働きアリ(メス)が約1年~2年、
女王アリが約1年~20年とされています。
クロヤマアリやクロオオアリと比べて、アシナガアリ系の働きアリの寿命はもっと短いという説もありますが、定かではありません。
クロヤマアリ

光沢がない点が特徴で、日本全国の低地や山地の明るい場所に生息しています。
巣はほぼ垂直に深さ1~2mまで伸び、働きアリの数はなんと16,000個体に達する場合があるという大所帯の蟻です。
寿命はこちらもオスが1年足らず、
働きアリ(メス)が1年~2年、
女王アリは10年~20年とされています。
クロオオアリ

腹部には薄い褐色の剛毛が生えているのが特徴です。
開けた公園や里山などに生息し、日当たりのよい乾燥した地中に巣を作り生活しています。
こちらも寿命はオスが1年足らず、
働きアリ(メス)が1年~2年、
女王アリが10年~20年とされています。
女王アリは長寿命!?その理由とは?
これまで紹介してきた中で蟻の寿命についての共通点がありますよね?
女王アリの寿命が他のアリたちに比べて長生きだということです。
働きアリの寿命は1年~2年とされえているのに対して、
女王アリの寿命はその10倍ほどにもなる10年~20年とされています。
女王アリは基本的には一つのコロニーに一匹しかいません。
そんな女王アリが巣からいなくなると卵が産まれず、アリの巣は機能停止の状態に陥ります。
そうするとアリの巣は壊滅してしまうことになります。
そのため、女王アリはその名の通り、女王として巣の安全な場所に君臨し、働きアリたちに守られながらたくさんの栄養を吸収し、死ぬまで産卵し続けます。
約100万個以上の卵を産むといわれ、繁栄を続けていくのです。
ちなみにオスアリとは巣の中で交尾するのではなく、巣を作る前に交尾を済ませ、一生分の精子を精子貯蔵器官である「受精嚢」という器官に保存しながら産卵を繰り返すのです。
常温でそのような長期間、どのように保存しているのかは未だ解明されていない謎なんです。
あのヒアリの寿命ってどのくらい?
近年日本で発見されて話題になったあのヒアリですが、
その名前の由来は刺されるた時の痛さが火に触れた時のような痛みを伴うことから「火蟻(ヒアリ)」と呼ばれるようになりました。
気になるそのヒアリの女王蟻の寿命は2~6年とクロアリなどと比べると寿命は短いです。
寿命が短いからといって安心はできません!
ヒアリは一つの巣に10~20匹ほどの女王蟻がいるため、数で寿命を補っているのかもしれません。
近頃はニュースでもすっかりその名前を聞くこともなくなりましたが、もう日本に住みついてしまったのでしょうか!?
シロアリは蟻じゃない?寿命は?
「シロアリ」もよく聞くアリの種類の一つではないですか?
家を食べるといわれ、住宅被害の最たる原因ともされるシロアリですが、シロアリは厳密には蟻と違う部分がたくさんあります。
分類学的にもシロアリは等翅目、クロアリは膜翅目で、変態分類もシロアリは不完全変態に対し、クロアリは完全変態と全く違うことがわかります。
難しい言葉になりましたがわかりやすく言うと、
シロアリは蟻というよりはゴキブリやカマキリに近い昆虫なんです。
アリは住宅へ危害を加えませんが、シロアリは木材を好むため、住宅へ危害を加えます。
そんなシロアリの寿命は働きアリが約2年、女王アリが10年から10数年とされていますので寿命という観点からいくと通常の蟻と同じぐらいと言えます。
蟻をペットに!?おすすめの飼育方法は?
ここまで蟻の寿命や種類の違いなどをお話してきましたが、もっと蟻の生態について知ってみたいという方はいっその事、ペットとして飼ってみて観察するのはいかがですか?
すごく簡単で便利な飼育キットがあるのでご紹介します!
こちらは蟻が巣を作っていく様子や中でどのような暮らしをしているのかを観察できるキットです。
ケースと土の代わりとなる青いゲル状のものや作り方などが全てセットになっていてあとは蟻を捕まえてくるだけで観察が始められます。
この青いゲルには蟻に必要な栄養分などが初めから含まれていますので水や餌を与える必要もないのです。
お子さんと生き物について学ぶことにもおすすめですし、お部屋のインテリアとしても良いのではないでしょうか。
「蟻の飼育」おすすめです!
この記事を読んだ方は他にもこんな記事を読んでいます。
<関連記事>
鈴虫の卵を孵化させる方法は?水や土、温度管理とカビ防止がポイント!
鈴虫の飼い方!餌や土、温度管理などの飼育環境や共食いしない注意点は?
虫嫌いを克服する方法とは?大人や子供にも効果的な対策やコツを紹介!
セミが幼虫でいる期間は何年?土に中に長くいる理由や種類によっての違いは?
カナブンとコガネムシの違いを解説!幼虫や成虫の見分け方は見た目や食べ物?
まとめ
いかがでしたか?
蟻の寿命について種類や役割の違いなども交えてご紹介してきましたがお役に立てましたか?
蟻の寿命は、女王アリ、働きアリ、オスアリによって、大きく違うことがわかりました。
ヒアリの女王アリの寿命はクロアリに比べて短いですが、女王アリの数の多さでうまくバランスがとれいています。
また、住宅被害の根源ともされるシロアリは蟻とはまた別な種類の昆虫で、寿命については同じぐらいだということがわかりました。
同じ蟻として生まれてきて女王蟻とその他の蟻の寿命の長さの違いには驚かされますね。
長生きだとしても生涯、巣の中で産卵をするだけの一生はどうなんでしょうか?
蟻の寿命ひとつにしても考えさせられるところがあります。
普段何気なく見ている蟻ですがまだまだ謎の多い不思議な生き物ですね!
以上、「蟻(アリ)の寿命はどのくらい?女王アリやヒアリ、シロアリなど種類ごとの違いは?」でした。